僕の世界には、ないものがあり、あるものがない。|『存在しない』を考える〈第5回〉
「この目で見た」は、どこまで頼りになるのか。目の前のゴリラを見落とし、失った手を感じる。実在・経験・判断の組み合わせをたどると、僕の認識にはいくつもの違いがある。「存在しない」を考える、第5回。
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当たり前だと思っていたことを問い直すと、世界は思いがけない姿を見せはじめます。「奇妙な世界」は、哲学・数学・科学を行き来しながら、一つの問いをじっくり掘り下げる読みものです。考えを進め、ときには立ち止まり、別の見方も試してみる。すぐには答えの出ない問いとともに、考える時間そのものを楽しみます。
「この目で見た」は、どこまで頼りになるのか。目の前のゴリラを見落とし、失った手を感じる。実在・経験・判断の組み合わせをたどると、僕の認識にはいくつもの違いがある。「存在しない」を考える、第5回。
20枚のコインの並び方は、1,048,576通り。机にできるのは、そのうち一つだけ。存在できるのに、今ここにないものは無数にある。では、今ここにあるものは? 粘土と雪からたどると、問いは自分へ返ってくる。連載「存在しない」を考える、第4回。
いま存在しないものは、これからも作れないのだろうか。永久スマホの数量モデルから、保存則と熱力学第二法則、再び飛ぶロケットへ。「まだない」と「存在できない」を分けることで、何を変え、何に挑戦するかを考える。
丸くて四角いクッキーの型。注文は書けるが、型は作れない。それでも「その型は丸い」と言ってよいのか。マイノングとラッセルを手掛かりに考えると、存在しないものの扱い方で、語れる性質も、認められる推論も変わる。連載「存在しない」を考える、第2回。
丸い四角形、充電しなくても電池が減らないスマホ、シャーロック・ホームズ。どれも存在しないが、「ない」の事情はそれぞれ違う。しかも僕たちは、ないはずのものを分類し、語り合える。「ない」とは何なのだろう。連載「存在しない」を考える、第1回。
三角形の内角和が270度になる世界と、どうしても完成しない一冊の目録。二つの話から、数学の正しさを支える前提を見つめる。前提を考えるところにも、人の想像力がある。そう気づくと、遠い存在に見えていた数学が、少し身近で愛おしくなってくる。
写真を見たあと、鏡の自分が少し冴えなく見える。僕の顔は、いつから不正解になったんだろう。現実から作った画像が現実を採点し、「好きな顔」が「正しい顔」に変わる。その奇妙な順番から、美しさの基準を問い直す。
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